Cryptomeria japonica

日本固有種であり、古来から大切にされてきた杉(倭木)。学名は:Cryptomeria japonic (クリプトメリア ジャポニカ)だそうです。

先日、私達が今考える理想を実現するため兵庫県の市川上流で育った木(杉)を実際に見に行ってきました。自分たちが住まう家に使用される素材は何処で育ち、誰が管理し、どのように製材され、どのような特性があるのか。身体に取り入れる食材を選ぶように。日々私達の身体を包み込むこととなる住まいの素材を知り、選び、そして自分達で維持管理出来ることを当たり前にしていきたいと考えています。

実際に製材所へ見学へ行き様々なお話を聞かせて頂きました。私達と同じ環境(近隣)で育った杉は素晴らしい管理方法(乾燥や製材などの各工程)により機械等級の判定(無垢材ではあまり行われない数値による強度的裏付け試験)を経て強度的にも安心して使用できる良材としてストックされていました。なにより管理されている方々の熱い思いを感じれたことがとても良かった。自分たちが管理した大切な材を余す所なく使用出来るように大切に大切に工夫を凝らして製材されている様子を実際に見れ、とても感銘を受けました。我々もそんな理想へ向けて行動へ移していこうと思います。


「お金と時間をかければどんなクオリティーのものでも用意できますが、我々の望むところは、名も無き平凡な林産地から(最上級ではないにしても)良質な木材をコンスタントに供給することにあります。」

後日案内して頂いた方とのメールのやり取りの中でハッとさせられた言葉です。


大切なのはその当たり前にある近隣の良材を、当たり前に選択できることが可能となる流通経路を開拓すること。


たくさんのモノが工業化・効率化され、便利になっていく反面失いつつある大切な事があります。健全な流通、なり手が減る職人の知恵や技術。造り手が伝えてきた素材にまつわる正しい情報の伝達と取り扱いかた(維持管理方法)などです。

結果として問題が浮き彫りとなったウッドショック(コロナ禍)、戦争などでの資材やエネルギー供給に起こりうる地政学的なリスクでの価格高騰など。私達は知らず知らずの内に健全な状態でのモノづくりをも失ってはいないでしょうか。誰もが手に届く、そこにある良材を使用することが出来ず、わざわざ海外から運ばれてきた材を使用せざるをえないことも…。

我々設計者がここから出来ることはなんだろうか?建物を可能な限り安く造り提供することがお客様のためになるのだろうか?かっこいい建物、性能が良いだけの建物を建てればそれで満足できるか?その後の未来の姿はどにような姿になってゆくのか?今一度立ち止まって見直したい課題が沢山あります。

きっと時間はかかるし、効率的でないこともあります。ですが問題がわかっているのに何もしないで進むことは出来ません。自分たちの住まいについて、住まい手がしっかりと語れる。 そんな住まいを提供したい。

そんな考え方に少しでも興味をもっていただける方の住まいづくりをお手伝いできれば嬉しいです。


【素朴で機能的であること、住まいとして性能と強さを満たす造り。その中に洗練された空気感をまとう建築を目ざします】



一級建築士事務所 hifumiarchitects / ヒ フ ミ ア ー キ テ ク ツ

素朴で機能的であること、住まいとして 強さと性能を満たす造り。 その中に洗練された空気感を纏う 建築を目指します。

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