稲美の家_2
田園の中の住まい
南に向かって、田園風景が広がる魅力的な敷地に建つお住まいです。
この豊かな自然との関わりを、何よりも大切にしながら計画を進めました。
田園に向かって大きな開口を設け、風景を楽しめるようにしていますが、ただ「外に開く」だけでは、少し落ち着かない空間になるかもしれない。
そう感じた私たちは、開かれつつも包まれるような、やさしい居場所をつくることを目指しました。
目の前の自然を感じながらも、心はそっと守られている。
そんな「ちょうどいい距離感」を持った曖昧で心地よい空間を大切にしています。
たとえば、明るい場所と少し影のある場所。
天井が高いところと、低くてこぢんまりとしたところ。
硬い素材と柔らかな素材――
そうした、異なる要素が空間の中に混ざり合うことで、不思議と落ち着く心地よさが生まれると、私たちは感じています。
私たちが家をつくるとき、大事にしていることの一つに人間の持つ「感覚」があります。
言葉ではなかなか説明しきれないけれど、住む人にとっての心地よさや、その場所で流れるやわらかな時間――
そんな“感じるもの”を大切にしながら設計をしています。
この住まいも、住まわれるご家族にとって、そんな感覚がそっと寄り添う、あたたかい居場所になりますように。
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